中学校受験はすべきか?

地方の方にはまだまだ馴染みがないかもしれませんが、小学校の低学年から高学年にあがるにつれて、中学受験に興味を持ち始めた方も多いのではないでしょうか。 この記事では、中学受験の概要やメリットデメリット、高校受験との違いについて解説していきます。



中学校受験とは

一般的に、小学校を卒業した後は、地域の公立中学校に進学することになります。しかし、小学校を卒業してから以下のような受験が必要な中学校に進学するケースも散見されます。

私立中高一貫校:
受験が必要になる私立中学校。私立中学校の大半は中高一貫教育を採用

公立中高一貫校:
受験が必要になる公立中学校。一般的な公立校とは異なり、中高一貫教育を採用

国立中学校:
受験が必要になる国立中学校。内部進学で高校まで進学できる可能性が高いが、内部進学の難易度は各校ごとに差分あり

具体的な数字を見てみると、全国平均で約8%の小学生が私立中学を受験し、約1%の小学生が公立中高一貫校または国立中学校を受験しています。

中学受験者の数



一方、この数字は全国平均であり、都道府県別にみると都心の割合が突出しており、地方の割合は3%未満が多いことに注意する必要があります。ゆえに、中学受験をする気のない方でも、都心在住であれば意識する機会も多いでしょうが、地方在住であれば受験する人は周りに一人もいないということも往々にしてあります。

私立中学校の都道府県別受験者数



中学受験のメリット

中学受験の最大のメリットは、中高一貫の質の高い教育カリキュラムを受けることができ、それにより最難関大学への進学を有利に進めることができる点にあるでしょう。

中学受験をせずに公立中学校に進学した場合、中学3年時には高校受験のための勉強を強いられることになります。しかし、中高一貫校に進学した場合は、その期間を高校の前倒し学習に充てることができ、高校3年時は大学受験の対策に集中することができます。

実際、高校別の東京大学合格者数ランキングを見ても、上位は中高一貫校が独占しており、公立高校は1校のみ(東京都立日比谷高等学校)しかありません。加えて、これらの私立中高一貫校の中には高校からの入学を認めていない学校(完全型中高一貫校)が多数あり、現在認めている学校も、認めない方向にシフトしている傾向があるため注意が必要です。

中学受験のメリット



中学受験のデメリット

主なデメリットは、①費用、②子どものストレスの2つです。

①費用

地元の公立中学校、受験が必要な公立中高一貫校、国立中学校についてはそこまで大きな費用はかからず、年間53万円の支出(授業料や塾の費用等の合算)となります。一方、私立中学校を受験する場合はその金額が跳ね上がり、約3倍の143万円も必要になります。

なお、国公立・私立によらず、受験する場合は上記に加えて月5万円×12ヵ月×小学校3年生の2月からの3年間で、合計180万円近くの塾費用や、その他受験料等が必要になる点も見逃してはいけません。

中学受験のデメリット


②子供のストレス

中学校受験の準備を始めるのは小学校3年の2月からが多いですが、その時点で子どもが精神的に成熟しているとは限りません。そのような状況下で、親の意思だけで子どもに受験を強いてしまった場合、子どもにとっては非常に大きなストレスになります。受験をする場合は、親子二人三脚で取組めることが大前提となります。



中学受験・高校受験のどちらを選ぶべきか

中学受験のメリットとデメリットを踏まえると、以下の条件すべてに当てはまるご家庭は中学受験をした方がよいでしょう。しかし、当てはまらない場合は高校からの受験でも問題ない可能性が高いです。

・「子どもにとっての幸せとは何か?」が家庭内で合意されている

・子どもの幸せを考えると、難関大学に進学する必要がある

・子ども本人が中学校受験を希望しており、親子二人三脚で取組める

・私立中学・高校に進学できる金銭的余裕がある(公立中高一貫・国立中学は除く)

なお、冒頭で申し上げた通り、そもそも中学受験をするのは都心在住のご家庭が多いですが、これは単純に地方では受験可能な中学校が少ないという点が背景にあります。地方在住のご家庭につきましては、周囲に中学受験について詳しい方も少ないと思いますので、よく考えて意思決定する必要があります。

中学受験・高校受験のどちらを選ぶべきか



さいごに

いかがでしたでしょうか?

中学受験は費用がかかる、子どものストレスになる等のデメリットがある一方、うまく活用することができれば質の高い教育を6年間受け、難関大学に進学できる可能性を大きく押し上げてくれます。
しかしながら、親が求めるべきは「子どもにとっての幸せ」ですので、幸せを踏まえたときにそもそも難関大学に進学する必要があるのか、中学受験をする必要があるのかといった考えを巡らせる必要があります。

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