中学生はどの塾に通うべきか?

この記事では、中学生のお子様をお持ちのご家庭向けに、どのような塾に通うべきかを解説しております。小学生向けの塾は大手が目立っているのに対して、中学生向けの塾は地域ごとにさまざまな塾が点在しているので、本記事を参考にしながらぜひお住まいの地域に合った塾を探してみてください。



学習塾の種類

日本には非常に多くの学習塾がありますが、「学習目的」と「指導形態」の組み合わせで4種類に分類することができます。なお、本記事ではすべて進学塾×集団指導について解説しております。


学習目的

進学塾
受験対策が目的となります。難関高校の受験に向けて、非常に難易度の高い学習内容を設定している塾が多く、入塾に際してテストを実施してクラス分け、あるいはテスト結果次第では入塾できないケースもあります。

補習塾
学校の授業対策・テスト対策が目的となります。受験を目的とするわけではないため、基本的には誰でも入塾可能であり、教材の難易度もそこまで高くありません。知識を吸収することはもちろん、勉強する習慣を身に着けるという狙いもあります。

指導形態

集団指導
講師1名に対して、生徒が複数名で授業を実施します。一人一人に最適な授業内容になるわけではありませんが、同じ年代の仲間と一緒に勉強できる点はやる気にもつながります。なお、人件費が安くなるため費用は控えめになる傾向があります。

個別指導
講師1名に対して、生徒が1名で授業を実施します。一人一人にオーダーメイドの授業を提供できますが、一人での学習になるため孤独感を感じる子どももいます。なお、人件費が高くなるため費用負担は増加する傾向にあります。


塾選びの第一歩としてはシンプルに、①受験を目的とする場合は進学塾・学校の補習を目的とする場合は補習塾、②そこまで費用をかけたくない/仲間と一緒に勉強したい場合は集団指導・費用をかけてもよい/一人で落ち着いて勉強したい場合は個別指導、と考えればよいでしょう。

学習塾の種類



学習塾に通っている子どもの割合

そもそも、どれぐらいの子どもが塾に通っているのでしょうか?
文部科学省の調査によると、公立中学校では10人中7人が、私立・国立小学校では10人中5人が塾に通っており、「塾に通うのが当たり前」の状態ととらえることができます。

なお、私立・国立中学校の方が学習に対する意欲が高いといわれますが、通塾率は私立・国立よりも効率の方が多くなっています。これは私立・国立では中高一貫教育が採用されていること、内部進学の利用者が多いことが、高校受験に向けた塾利用ニーズの減少につながっているためと考えることができるでしょう。

学習塾に通っている子どもの割合



学習塾の費用

塾の費用に目を向けると、公立中学校および私立・国立中学校とも、年間35万円前後(月換算で3万円)を塾の費用として充てています。各ご家庭とも、決して低くはない金額を、学校外の学習に使用していると言うことができます。

学習塾の費用



関東の大手中学受験塾

これまで、塾に関する基本的な情報を整理してきましたが、ここからは具体的な大手塾(高校受験塾)について見ていきましょう。中学受験は大手4校をはじめとする有名塾がラインナップされていましたが、高校受験では地域ごとに集中出店しており、勢力が分散している点が特徴的です。

早稲田アカデミー

体育会気質で厳しめの環境ですが、トップクラス私立高校の実績が豊富です。首都圏を中心に約120校展開しており、費用は平均的な金額(月4万円程)です。


SAPIX(中学部)

競争的な環境であり、塾外のサポートが手厚いわけではないため、家庭内でのサポートが必須になります。しかし、その分トップクラス校への進学実績が豊富です。費用については、他の塾よりも高価(月6万円程)になる傾向があります。


臨海セミナー

先生・生徒間で交流しながら授業を進める、参加型の指導を採用しています。神奈川県を中心に有名私立・公立とも進学実績が一程度あり、価格も比較的安価(月3万円程)です。


高校受験ステップ

専任講師のみで構成される授業が魅力であり、神奈川県の公立高校を中心に優れた進学実績を誇ります。神奈川県のみに約140校を集中展開しており、価格も比較的安価(月3万円程)です。


市進学院

「面倒見の良さ」を教育方針に掲げている通り、手厚いサポートが魅力の塾です。千葉県の公立高校を中心に豊富な進学実績を有しており、価格も比較的安価(月3万円程)です。


関東の大手高校受験塾



関西の大手受験塾

次に、関西の大手進学塾を見ていきましょう。
関東の塾は良い意味でドライと捉えることができ、家庭に対してあまり踏み込んできません。しかし、関西の塾は、家庭からの要望を積極的に取り入れ、家庭にもしっかりと踏み込んでいくなど、親・子・塾が密接に連携した教育が共通した特徴です。


駿台・浜学園

大学受験大手の駿台と、中学受験大手の浜学園が設立した塾です。両校のノウハウを結集させた質の高い授業が人気で、大阪を中心とした関西に10校程展開しています(関東には中学受験塾もあり)。費用は月5万円程と高額ですが、価格に見合った品質との評判が根強いです。


馬渕教室

ハイレベルな授業を提供することはもちろん、質問対応など授業後のサポートが手厚い塾です。関西・東海地方に展開しており、同地域のトップクラス校への合格実績が豊富です。費用は月5万円程と比較的高い価格設定になっています。


類塾

受験に必要な知識を身に付けるだけでなく、根本的な学ぶ力の習得も目指している塾です。進学実績は他塾に劣りますが、大阪・奈良で人気の塾です。費用は月4万円程で、平均的な値段となっています。


能開センター

高学力の生徒だけではなく、幅広いレベルに合わせた授業を提供する塾です。トップクラスの高校への進学実績は他塾に劣りますが、関西を中心に、東京以外の全国の中堅校で優れた実績を誇ります。価格も月3万円程と安価な設定になっています。


関西の大手高校受験塾



さいごに

上記以外にも、さまざまな進学塾、あるいは補習塾があります。もちろん、大手の方がこれまでの経営で得た知見や、システマチックな教育という点では魅力的です。

しかし、地域の個人経営塾なども、人口減少に伴って市場環境が厳しくなっている中で生き残っており、それはつまり各塾にも大きな魅力があるということです。具体的には、大手塾が生徒一人一人の名前や性格をなかなか覚えてくれないのに対し、個人塾は一人一人をしっかりと把握して最適な学習内容を考えてくれます。
塾を選ぶ際は「大手だからよい」という発想ではなく、数校を訪問・体験授業を受け、ご家庭にとって最適な塾を選んでいく必要があります。

なお、アカデミー・ハブの進路作成サービス「我が家の教育方針」では、ご家庭にとって最適な塾選びのサポートも行っております。無料カウンセリングも行っておりますので、ぜひご相談くださいませ!