勉強する目的ってなに?(part2)


前回のおさらい

前回のpart1では、子ども・親は勉強する目的として「良い学校に入ること」を掲げている、そしてなんとな~く「良い学校に入れば、良い職業に就ける」と考えているというお話をさせていただきました!

しかし!
「良い学校に入れば、良い職業に就ける」が正しいかを検証するためには、以下の複雑な問いに答える必要があるということもお話ししました。

良い学校に入ること・良い職業に就くことの関係

今回は、実際に上記の問いに答えていくことで、「良い学校に入って、良い職業に就けるのか」を検証していきたいと思います!


「良い学校」ってなに?

「良い学校」といっても、小学校から大学院までありますし、運動ができる学校・勉強ができる学校など、本当にさまざまな種類がありますよね。ですので、「良い学校」をしっかりと定義することから始めましょう。

まず、対象となる学校ですが、就職とも関連性が高く、かつ勉強の最終的な到着地点として大学(または大学院)としましょう!

次に、良い学校を区別する方法は、世間で求められることが多く、かつ数字でもしっかりと評価できる「偏差値*の高い大学(院)」を良い大学(院)と定義します!

* 偏差値:
テストを受けた集団の中で、自分がどれくらいの位置にいるかを表す数値で、平均点を偏差値50になるように変換し、その基準からどれくらい高い(または低い)点数だったかを表す


そして、こうした考えに基づくと、偏差値の高い以下画像の大学(院)を、「良い学校」と定義することができます。

  • 最難関国立大学(院)
    東京大学・京都大学・一橋大学・東京工業大学(東京科学大学)

  • 医学部
    医学部を持つすべての国公立・私立大学

  • 難関国立大学(院)
    大阪大学・北海道大学・東北大学・名古屋大学・九州大学・神戸大学・東京外国語大学

  • 最難関私立大学(院)
    早稲田大学・慶應義塾大学

  • 難関私立大学(院)
    上智大学・東京理科大学・国際基督教大学・明治大学・青山学院大学・立教大学・法政大学・中央大学・関西学院大学・関西大学・同志社大学・立命館大学


もちろん、偏差値の高い大学(院)以外にも魅力的な学校は、本当にたくさんありますが、今回はこの考え方を採用します!

良い学校の定義


「良い職業」ってなに?

さて、同じような理由から、次は「良い職業」を定義してみましょう。
職業の良い・悪いを考える基準はたくさんありますが、例えば・・・

  • 給料が高い
  • 福利厚生が手厚い
  • 業務の裁量が大きい
  • 社会的信用が多い など


今回は、一般的に上記観点を網羅している以下を「良い職業」として考えてみましょう。

  1.  就職人気の高い企業
  2.  経営者
  3.  政治家
  4.  医師

なかでも、1. 就職人気の高い企業は「就職人気企業ランキング トップ20(2024年卒)」から、以下企業としましょう。総合商社や金融機関が多く、年収は日本人平均の2.7倍にもなります!

良い職業とは何か


良い学校に入らないと、良い職業に就けないの?

それでは、上記で考えた1.~4.の職業に照らしながら、良い学校に入ること・良い職業に就くことの関係性を見ていきましょう!

1. 「就職人気の高い企業」の場合

結論から言うと、就職人気の高い企業に入社するためには、良い学校、特に最難関国立・私立に入る必要性が高いです。

例えば、就職人気ランキング トップ20に入っている総合商社の採用大学(院)を見てみると、「良い学校」以外からの採用はわずか1%しかありません。しかも、採用されているのは筑波大学であり、非常に難易度の高い大学として知られています。

また、採用者数の32%を最難関国公立、42%を最難関私立が占めているため、最難関大学以外では就職人気企業に入ることが極めて難しくなってしまいます。

就職人気企業の出身大学


実際、就職活動中に「学歴フィルター(出身学校名で採用選考の対象とするか決めること)」を感じたことのある学生は44%を占めており、人気企業ほどその傾向が高くなります。

学歴フィルター


とはいえ、企業の目線に立つと①採用コストを削減したい、②優秀な可能性の高い人材を確保したい、③社内への説明責任を担保したい、という理由から、学歴フィルターを設けることも納得できるのではないでしょうか。

学歴フィルター


2. 「経営者」の場合

就職企業の高い企業と同様に、経営者になることと、良い大学に入ることとの関係性も見ていきましょう。

以下画像は、上場企業の社長の出身大学(院)トップ10です。
見ていただければ分かるように、難関大学(院)は多くの社長を輩出しているにも関わらず、それ以外の大学(院)では768校中わずか1校しか該当しません。

このことからも、経営者になるには「良い学校」に入る必要性が高いことが分かります。

上場企業の社長の出身大学


3. 「政治家」の場合

まだまだ続きます!!!
政治家の場合も同様で、政治家になるためには良い学校に入っておく必要性が高いです。

以下は、国会議員の出身大学トップ10を整理した表になります。
ご覧いただければ分かるように、トップ10のうち難関大学(院)以外からのランクインはわずか2校(768校中)のみです。

国会議員の出身大学


4. 「医師」の場合

ラストは「医師」の場合ですが、これは非常に単純です。

医師になるためには医師国家試験を受ける必要があります。
そして、医師国家試験の受験資格には「医学部での学習経験」があるのです。そのため、医師になるためには、必ず医学部に入学する必要があります。

医師になるための5ステップ


まとめ

ここまで見ると、「良い学校に入らないと、良い職業に就けないの?」という問いに対しては、以下のように答えられそうですね。

良い職業(①就職人気の高い企業、②経営者、③政治家、④医師)に就きたいのであれば、良い学校(最難関大学、難関大学、医学部)に入るべきであり、特に最難関大学(院)に入ることが望ましい。

画像


さいごに

いかがでしたでしょうか?

子どもや親がなんとな~く考えていた「良い学校に入れば、良い職業に就ける」は本当みたいですね。
・・・しかし、そもそも勉強する目的って「良い学校って良い職業に就くこと」なのでしょうか? ご家庭ごとに目的は変わるのではないでしょうか?

次回のpart3では、勉強する目的について解説していきます!




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