子どもたちはどんな進路を選べるの?(就学前編)


進路選びの全体像はどんな感じ?

子どもの進路は無限の組み合わせがあり、選ぶのは非常に大変です!
具体的には、就学前・小学校・中学校・高校・大学・大学院ごとに進路を選択していく必要があります。

今回は就学前(幼稚園や保育所など)に絞って、進路の選び方を見ていきましょう!

進路の選択肢の全体像


どんな施設があるの?

就学前の子どもが通うことのできる施設は、よく聞く幼稚園や保育所以外にも、認定こども園や認可外保育施設・地域型保育施設があります。

  • 幼稚園
    利用可能なのは3~5歳児です。
    管轄が文部科学省であり、保育よりも学習指導を重視している点が特徴で、非常に多くのご家庭が利用しています。

  • 保育所
    利用可能なのは0~5歳児です。
    幼稚園とよく対比されますが、管轄は厚生労働省であり、学習指導よりも保育を重視している点が特徴で、こちらも非常に多くのご家庭が利用しています。

  • 認定こども園
    利用可能なのは0~5歳児です。
    2006年から登場した新しい施設で、幼稚園の学習指導、保育所の保育を組み合わせた運営を行っており、いわば両施設の良いとこどりです。

  • 認可外保育施設
    国や都道府県の認可は受けていませんが、保育や育児の機能を有する施設です。認可を受けていないため、対象となる児童の年齢や費用は幅広いですが、助成金は他施設と変わらず受けることができます。

  • 地域型保育
    認可外保育施設と似ていますが、規模が小さかったり、企業に設置されていたりする点が特徴です。利用可能な年齢は、0~2歳までとなります。


なお、2019年10月より幼児教育・保育の無償化がスタートしたため、幼稚園、保育所、認定こども園などを利用する3歳から5歳までのすべての子どもの利用料が無料になりました。

また、0歳から2歳までの子どもについては、住民税非課税世帯を対象として利用料が無料になりました。

ただし、無償化の対象とならない施設(無償化制度に移行していない施設)もありますので注意が必要です。

未就学児の施設の種類


認定区分ってなに?

施設の種類については述べましたが、誰もが好きなように施設を選べるわけではありません。実は、就学前に利用できる施設には「認定区分」という考え方があり、それに応じて利用できる施設が決まってくるのです!

まず、3~5歳の場合は「保育を必要とする事由(就労や妊娠・出産 など)」に該当しない場合は1号認定、該当する場合は2号認定になります。
そして、0~2歳児の場合も同様で、該当する場合は3号認定、該当しない場合は認定なしとなります。

この認定に応じて、利用可能な施設は以下の通り整理されるのです。

  • 1号認定: 幼稚園・認定こども園・認可外保育施設
  • 2号認定: 幼稚園・保育所・認定こども園・認可外保育施設
  • 3号認定: 保育所・認定こども園・認可外保育施設・地域型保育
  • 認定なし:  認定こども園・認可外保育施設
未就学児の認定区分


みんなはどんな進路を選んでるの?

それでは、このようにたくさんの施設があるなか、各ご家庭はどの施設を選んでいるのでしょうか?

まず、0~2歳児では施設に通っている児童の割合は最大でも半数程度で、通っている場合は保育園や認定こども園を選択するケースが多いです(幼稚園は3~5歳児が対象)。

3~5歳児では、ほとんどの児童が施設に通うようになり、保育園・認定こども園に加えて、幼稚園が登場してきます。

年齢を問わず、認可外保育施設や地域型保育の割合はわずかであり、育児の補助的な役割として位置付けられていることが分かります。

未就学児の進路


どれくらいのお金がかかるの?

ここまで見てきて、気になるのはお金の話・・・。

まず、結論から申し上げると、多くのご家庭にとって就学前の教育費はそこまで大きな負担とはならないでしょう。

大体の費用の目安(学費、給食費、教材費などを含む)として、公立・国立幼稚園では年間約17万円、私立幼稚園でも年間約31万円ほどになります。

これは幼稚園の例ですが、保育所・認定こども園・地域型保育についてはこれよりも割安になる傾向にあります。しかし、認可外保育施設については割高になる傾向があるため、注意が必要です。

幼稚園・保育所の費用


受験って必要なの?

さて、多くのご家庭にとっては必要ないかもしれませんが、一つの選択肢として「幼稚園受験」をご紹介させていただきます!

地方ではほとんどありませんが、都心では幼稚園受験をされるご家庭もわずかにいます(全体の1%以下)。

幼稚園受験の最大のメリットは、なんといっても内部進学で中学や高校、大学まで進学できる可能性があることでしょう。また、幼稚園受験は「親の受験」と言われるほどなので、小学校以降に受験するよりも子どもの労力が少なくて済む点も魅力的です。

一方、幼稚園受験の最大のデメリットは、とにかくお金がかかることです。幼児教育・保育の無償化により、未就学児を抱えるご家庭の金銭的負担は軽くなりましたが、それを考慮しても年間100万円以上かかることになります。このような金銭的負担を、幼稚園以降も問題なく受け止められるご家庭のみ、受験を検討するための最低条件を満たしていると言えるでしょう。

幼稚園受験


どうやって進路を決めるの?

ここまで、就学前の進路について学習してきました。

その集大成として、それらの進路から我が子に最適なものをどのように選ぶべきかを整理しましたので、ぜひご活用ください!
具体的には、最適な進路選びには3つの選択肢があります。

  • 「保育が必要」な場合
     →①受験なしの保育園、または認定こども園

  • 「保育が不要」かつ「受験しない」場合
     →②受験なしの幼稚園

  • 「保育が不要」かつ「受験する」場合
     →③受験ありの幼稚園
幼稚園・保育所の決め方


さいごに

いかがでしたでしょうか?

就学前の施設は「家の近くにあるから」、「兄弟・姉妹が通っていたから」などの理由で決めるご家庭が多いと思いますが、ぜひ進路選びの全体像を理解したうえで、我が子にとっての最適な進路を選んでみてください!




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