子どもたちはどんな進路を選べるの?(大学編)


進路選びの全体像はどんな感じ?

本日お話しさせていただくのは以下画像のうち「大学」です!

大学選びの全体像


大学にはどんな種類があるの?

「大学」という言葉を聞いて、真っ先に思い浮かぶのは4年制大学でしょう。しかし、4年制大学以外にも、短期大学や専門学校などの選択肢もあります。こうした各校の特徴について、詳しく見ていきましょう!

まずは、4年制大学から見ていきます。
各校とも試験や推薦で入学できる点は同じですが、費用や教育水準には違いがあります。

  • 公立大学
    年間費用は64万円で、私立大学に比べると負担は少なくなります。
    一般的に公立・国立は私立大学と比較して受験科目が多くなる傾向にあり、かつ学費負担が小さいため人気が出やすいことから、教育水準は決して低くなく、中程度となる傾向にあります。

  • 国立大学
    公立大学と同じような傾向にありますが、公立よりも高難度大学が多いため、教育水準は中~高ほどになります。東京大学や京都大学などもあり、難関高校の学生たちがこぞって受験します。

  • 私立大学
    公立・国立大学とは毛色が異なり、大学ごとに多種多様な特徴を持っています。教育水準についても大学ごとに大きく異なり、容易に入学可能な大学から、早稲田大学や慶應義塾大学のようなトップレベルの大学まで幅広く存在しています。
    ただし、年間学費は平均117万円であり、医学や歯学を志す場合、平均393万円と非常に高額となります。

4年制大学の種類


次は4年制大学以外を見ていきましょう。

ここで登場する短期大学や専門学校は、おおよそ2年制であることが多く、4年制大学よりも早く社会に出て、実践経験を積むことができます。
また、「高校卒業後はそのまま就職!」という選択肢もあるでしょう。

  • 短期大学(公立・私立)
    学校によっては試験が不要な場合もあり、試験が必要な場合も難易度はそこまで高くない傾向にあります。そのため、純粋な教育水準という観点では4年制大学に劣りますが、一般教養の学習だけではなく実習も多く、社会に出てから即戦力となれるような経験を得られます。
    短期大学の約9割は私立であるため、学費は年間100万円ほどになりますが、一部の公立では4年制大学と同じ60万円前後で進学することができます。

  • 専門学校(公立・国立・私立)
    試験が不要な学校が多く、必要な場合でも難易度は高くありません。また、一般教養に関する学習はほとんどないですが、特定の職業や技術に特化した教育を受けることができ、就職と直結する学びが得られます。一方、短期大学と同様に、専門学校の大半は私立であるため学費が高く、年間119万円ほど必要になります。

  • 就職
    4年制大学以外の進路として、高校卒業後にそのまま就職することも選択肢の一つになるでしょう。毎年就職する生徒がいる高校では、先生方がおすすめの就職先を教えてくれる場合もありますが、必ず自分の意思で職を探し、納得のいく進路にしましょう。

4年制大学以外の種類


みんなはどんな進路を選んでるの?

それでは、日本の高校生はどの学校に進んでいるのでしょうか?

以下の画像を見ていただければ分かるように、4年制の私立大学に進学する高校生の割合が58%と圧倒的に多いです。

次点で、4年制の国立大学が16%、同じく専門学校も16%と高くなっており、それ以外の選択肢を選んでいる高校生の割合はそれぞれ5%以下となっています。

4年制の国立・公立大学は非常に人気がありますが定員も少ないため、4年制の私立大学に生徒が集中するという構造です。

大学の進学先の割合


どれくらいのお金がかかるの?

既に述べた部分もありますが、年間の授業料に絞って各進路を見ていきましょう。

高校卒業後の進路については、国公立 or 私立という分け方で費用を考えることができます。具体的には、国公立はおおよそ60万円ほど必要となりますが、私立は100万円以上必要となってきます。

さらに、私立の医学部・歯学部に進学する場合は、平均393万円と非常に高額な負担となりますので気を付けましょう・・・。

大学の学費(年間費用)


また、これらの進路は通う年数もそれぞれ異なっており、4年制大学はその名の通り4年間通いますが、その中でも医学部や歯学部は例外的に6年間通うことになります。他方、短期大学や専門学校はおおよそ2年間と期間は短いです。

これを踏まえて必要な学費総額を見てみましょう。

すると、各進路ともに200万円~250万円必要になってくるのに対し、4年制の私立大学が飛び抜けて高額な468万円必要となることが分かります。
また、私立の医学部・歯学部は6年間で合計2,358万円と恐ろしい数字になっていますね・・・。

そして、これらの費用は授業料だけであり、一人暮らしをする場合の家賃や生活費が含まれていない点に注意してください!

大学の学費(卒業までの費用)


学部の選び方は?

さて、大学を選ぶ場合に必ず考えなくてはいけないのが、「どの学部に進むべきか?」ということです。
学部選びは3つのステップで行われますので、その考え方について少し解説してみましょう。

大学の学部選びの3ステップ

  1. 「現在持っている興味は何か」を考える
    まずは単純に、自分(お子さま)が興味のあることを棚卸ししましょう。
    例えば、小説が好きなら文学部、ものづくりが好きなら工学部、旅行が好きなら語学部など、興味があることから逆算すれば気になる学部が見つかるかもしれません。

  2. 「将来就きたい職業は何か」を考える
    現在とは反対に、将来から学部を逆算することも必要です。
    分かりやすい例を挙げると、医師になりたいのであれば国家資格が必要なので医学部に進む必要があります。それ以外にも、教師になりたいのなら教育学部、弁護士になりたいのなら法学部といった具合ですね。
    将来就きたい職業が明確に決まっていない場合でも、なんとなくでいいので考えてみましょう!

  3. 「現在・将来を踏まえると、どの学部に進学すべきか」を考える
    現在・将来の整理ができたら、その中間地点にある学部は何かを考えてみましょう。
    つまり、現在も興味があって、将来就きたい職業とも関連の高い学部を選ぶことで、自分(お子さま)にマッチした学部選びができるわけです。

学部の選び方


ちなみに、「現在・将来を踏まえると、どの学部に進学すべきか」を考える前提として、各学部に対する理解を深めておくことも重要です。
大学の学部は大きく分けて4つに分類されるため、以下画像から自分(お子さま)に向いていそうな学部がないか探してみましょう!


大学の学部の種類

  1. 人文科学系
    人間の精神や文化が研究対象
    (文学/語学/歴史・地理学/心理学/哲学 など)

  2. 社会科学系
    人間集団や社会の在り方が研究対象
    (法律学/政治学/経済学/商・経営学/社会学 など)

  3. 自然科学系
    自然界の原理を解明・活用することが研究対象
    (理学/工学/医学/歯学/薬学/看護学/農学/獣医・畜産学 など)

  4. 総合系
    他系統を横断するテーマが研究対象
    (教育学/家政学/芸術学/スポーツ科学/福祉学/教養学 など)

大学の学部


どうやって進路を決めるの?

さて、最後に進路の決め方についてまとめていきましょう。

ポイントとなるのは、こちらの記事で紹介した通り、高校卒業後の進路は「自分(お子さま)にとっての幸せとは何か?」から逆算して考える必要があるという点です。

そして、肝心の「子どもにとっての幸せの定義」は以下の4つに整理されます。ただし、あくまでも整理の一例であり、できれば各ご家庭独自の定義を考えてみましょう!


子どもにとっての幸せの定義(4つ)

  1.  良い職業に就いて、高い社会的地位・金銭を得る
  2.  今を楽しみつつ、将来も平均水準の生活を送る
  3.  勉強のストレスを感じず、今をできる限り楽しむ
  4.  社会的地位・金銭は高くなくとも、希望する職業に就く


この幸せの定義から逆算して考えると、次の画像の通り、進学すべき学校の種類(13分類)が見えてきます。

ぜひご一読いただき、自分(お子さま)はたくさん勉強して難関大学に進む必要があるのか、あるいはほどほどに勉強すればいいのか、あるいは勉強を一切しなくてもいいのかを考えてみてください!

大学の選び方


さいごに

いかがでしたでしょうか?

大学は種類も非常に多いですし、学部も複雑です。しかし、多くの人にとっては学習の最終地点であり、かつ就職にも直結する重要な決断となります。
しっかりと理解していただいて、悔いのない大学選びをしてください。




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